インターネット広告費がテレビメディア広告費を初めて超え、2兆円規模となりました。
本日は「Webマーケティング業界研究!未経験者向けに徹底解説」と題して説明していきます。
3月11日に電通が2019年「日本の広告費」と題して、レポートを発表しました。
日本の総広告費は6兆9381億円で、インターネット広告費がテレビメディア広告費を初めて超え、2兆円規模となりました。
新聞・雑誌・ラジオ・テレビメディアの広告費は5年連続で減少し、すべて前年割れ。
インターネット広告は、先ほど挙げたマスコミ4媒体のデジタル版の広告費に加え、物販系ECプラットフォーム広告費が伸びています。
そこで今回注目するのがWebマーケティングという業界です。
Webマーケティングと聞いて、ざっくりとイメージはできますが、なんとも掴みどころがありません。
いったいどのような仕事なのでしょうか?
今回は未経験者向けに、徹底解説していきます。
Webマーケティングとは?
マーケティングとは、市場調査・プロモーション・広告の効果を検証など、商品やサービスが売れるための仕組みづくりをすることです。
Webマーケティングとはインターネットにおけるマーケティングの事を言います。
以前は新聞折り込みチラシによって、どれだけの人がチラシを見て商品を買いに来たのかを、正確な数字を把握することは難しい事でした。
Webマーケティングでは、何をきっかけにこのサイトを訪れたのか、何をどれくらい見て、どんな商品の購入に繋がったかなど、全ての消費者の行動が数値で確認することができます。
現在は多くの企業が自社のWebサイトを持ち、ネットショップを運営しています。
商品やサービスを売るために、広告を打つ・SNSで発信するなど色々な工夫が必要です。
商品が売れるように人を引き付ける広告を打ち、顧客を獲得することが、Webマーケティングの役割です。
Webマーケティング、実際に何するの?
Webマーケティングの流れのステップは4つ。
- 戦略を立てる
- 集客(アクセスを集める)
- 接客(購入を促す)
- 継続・再訪問
それではひとつずつ見てみましょう。
戦略を立てる
まずは、商品やサービスを利用してもらいたい人たちは、どんな人たちなのかを考えます。
年齢層や性別、家族構成や年収などの基本的な情報や、テレビやインターネットとの接し方。
例えば40代であれば男性は薄毛やメタボが気になり、女性であれば肌のシミやくすみ、ダイエットなどの悩みを抱えています。
商品やサービスの対象になる人々の事を考えて、ターゲットを絞ります。
他社が販売している同じような商品やサービスを、Googleなどで検索してみます。
WebだけでなくSNSのアカウントを見てみることで、購入者の反応や、競合他社がどのように購入者とコミュニケーションを取っているのか、確認します。
競合他社の動きを把握したところで、振り返って自社の商品やサービスの発信のされ方や、SNSでの反応などを確認します。
自社商品の強みや購買層などを確認し、さらに売り上げを伸ばすための戦略を立てていきます。
集客(アクセスを集める)
まずは自社サイトへのアクセスを集めなければいけません。
具体的にどんな方法でアクセスを増やすのかひとつづつ見ていきましょう。
SEO対策(検索エンジン最適化)
Googleなどの検索エンジンで自社サイトが上位に表示されるように、様々な施策を行います。
Googleの検索で、上位に来るキーワードを探したり、Googleが評価する良質なWebコンテンツを作成します。
SEO対策自体は無料なので「自然検索」とも呼ばれます
リスティング広告
GoogleやYahooの検索結果に表示される広告です。
検索結果の上位に広告が数件ついていますね。
それを検索連動型広告といいます。
または、Webサイトの右端上部や文章の途中や一番下に表示される広告です。
これをディスプレイ広告といいます。
広告を掲載するためには料金が発生し、利用者が広告をクリックした場合のみに料金が発生するクリック課金制と、入札額が高い方が検索上位に掲載されるオークション制の2種類あります。
SNS広告
Twitter・Facebook・Instagramなどの各種SNSに広告を掲載します。
広告は以前は企業から消費者への一方通行な情報発信でした。
しかし今は、SNSで広告を掲載することで、自社の商品が「いいね!」と評価されたら、広告をユーザーによって拡散してもらえます。
さらにSNSを通じて、ユーザーと直接コミュニケーションをとることが可能です。
メールマガジン
メールマガジンに登録してくれたユーザーに、定期的に役立つ情報を送りながら、信頼関係を築きます。
そして最終的には自社の商品やサービスを購入してもらうという、定番の流れです。
接客(購入を促す)
サイトのアクセスしてくれた人が、商品やサービスの購入に繋がるように誘導します。
ランディングページの最適化
検索結果をクリックして、Webサイトにたどり着いたユーザーが最初に目にするページをランディングページと言います。
このサイトに来たユーザーを、購入や問い合わせに導く導線を最適化します。
商品やサービスが売れやすくなるように、仕組みを改善します。
入力フォームの最適化
お問い合わせフォームや買い物カートなどが分かりにくく面倒くさいと、そこでユーザーはそのサイトを離れてしまいます。
そこで、なるべく問い合わせや購入に繋がるように、使いやすい入力フォームに改善します。
継続・再訪問
自社の商品やサービスを購入してくれたユーザーを、アフターフォローしたりステップメールを送ることで、再度サイトを訪問してもらように対策を考えます。
SNSで商品について発信するユーザーが増えてきているので、ユーザーとのよい関係性を築きます。
さらに、商品を購入してくれたユーザーが、継続して利用してくれるリピーターやファンになってもらえるように、様々な対策を講じるのです。
Webマーケティング業界の分類
Webマーケティング業界はとても複雑。
この業界を大まかに分けると5つになります。
- 広告代理店
- コンサルティング会社
- 制作会社
- 事業会社
- マーケティングシステム販売会社
ひとつずつ見ていきましょう。
広告代理店
広告代理店と聞けば電通と博報堂が思い浮かぶと思います。
それ以外にもサイバーエージェント、オプト、セプテーニなどが含まれます。
以前はテレビや雑誌の広告を中心に行っていた老舗広告代理店が、インターネットの世界でも活動し始めました。
それに加えてインターネットに特化した広告代理店が、国内だけでも5000社以上あります。
リスティング広告・SNS広告・SNSアカウントの運用して、商品やサービスのプロモーションや販売をします。
コンサルティング会社
お客様の状況を考慮してマーケティング戦略を実現するための、具体的な実践事項や内容、手順を立案します。
問い合わせ数を確保するためのマーケティングサイトの作成を代行、SEO対策やWeb広告の運用代行を行い、アクセス数や問い合わせ数を最大化させます。
そして状況を分析して、より効果が出るように改善します。
制作会社
Web系の制作会社では、Webディレクター・Webデザイナー・イラストレーター・ライター・プログラマー・動画編集などの仕事があります。
その中でもWebマーケティングはお客様のサイトの課題に合わせてSEO、コンテンツマーケティング、広告運用、Webサイト制作などの施策を提案します。
事業会社
自動車会社や化粧品会社など、一般企業の中にWebマーケティング部門があります。
少数精鋭のチームで活動することが多く、即戦力を必要とするので、未経験者を募集するような求人がほとんどありません。
マーケティングシステム販売会社
Webマーケティングのためのツール開発や販売をする会社です。
一例をあげると、日本IBMはマーケティングソリューション「IBM Marketing Cloud(マーケティング・クラウド)」と、エコシステム(企業間の連携による収益構造向上)を提供しています。
ECツール・データ分析システム・顧客育成システムなどを販売しています。
Webマーケティング業界を分類してみましたが、はっきり言ってこの業界は複雑で、分類すること自体がナンセンスです。
「Webマーケティング業界のカオスマップ」を一度検索して見てみてください。
分類不可能な、マップを見ていると目が痛くなるような業界なのです。
Webマーケティング業界で求められるスキル
基本的なPCのスキル(Word/Excel/PowerPoint)と、コミュニケーション能力は必須です。
求められる知識はSEO(検索エンジン最適化)・SEM(検索エンジンマーケティング)などです。
マーケターの応募条件として、
- アクセス解析ツールのGoogle Analyticsの使用経験
- ディスプレイ広告の運用経験
- SEO施策の立案と効果検証の経験
があります。
これらは自身でブログを運営することで身につく知識や経験です。
Webマーケティング業界への転職の近道が「ブログ運営」ということなのです。
転職の際に企業から評価される資格は、
- 国際実務マーケティング協会が主催する「マーケティング実務検定」
- 特定非営利活動法人実務能力認定機構(ACPA)認証の「ネットマーケティング検定」
- 日本Web協会の「Webアナリスト検定」
- 一般社団法人ウェブ解析士協会の「ウェブ解析士」
などがあります。
Googleが無料で提供する「Googleデジタルワークショップ」があります。
Webを活用した集客や販売の基礎を学ぶことができますので、まずは独学でと考えている方にはお勧めです。
Webマーケティング業界に就職・転職の際に気を付けたい事
①なぜWebマーケティング業界を志望するのか?
どのような魅力がWebマーケティングにはあって、どんな思いでこの業界を志望しているのかをまとめます。
例えば
- 趣味で個人ブログを運営していた
- 趣味のSNSで運用代行を手伝ったら、すぐにフォロワーを獲得することができた
- カスタマーサポートの仕事をしていたが、運用サポートまで踏み込める仕事がしたい
などなど、未経験であってもマーケティングに興味を持った「きっかけ」を、しっかり説明できるようにしておきましょう。
そしてそのきっかけによって、どんなアクションを起こしたか、何を勉強を始めたかなどは、良いアピールポイントになります。
なぜなら実際に仕事を始めたら、ずっと勉強し続けなければならないからです。
さらに入社後何がしたいか、どうありたいか、自分が目指しているものをはっきりとさせておきましょう。
②その企業を志望する理由は?
Webマーケティング業界の業務は幅広く存在します。
企業よって得意分野や取り扱っている分野は様々。
ミスマッチを避けるために、募集要項はよく読み込みます。
企業の社風、事業内容、顧客層など、面接で的外れなことを言ってしまわないように、詳細まで確認しましょう。
未経験の人にお勧めなのは、特化型の会社ではなく、マーケティングを総合的に取り扱っている会社です。
③今までの経験をどのように活かせるか?
今持っている知識や経験、実務スキルなどをアピールし、これらを使ってどのようにその会社に貢献できるか、自分はどのように成長していきたいかといった、ビジョンを示します。
特に未経験者は将来性が重視されるので、本気度をアピールしましょう。
Webマーケティング業界の将来性
Webマーケティング業界の将来性は、はっきり言って分かりません。
世界経済の動きや日本の景気にも左右されます。
広告業界全体は別に成長しているわけではなく、テレビ・雑誌などのオールドメディアから、インターネットの方にお金が移動しているだけなのです。
そして広告を出したい企業があって初めて、マーケティングの仕事があります。
大災害が起こったり、企業がCMを自粛せざるを得ない状況にある時、テレビではACのCMが増えることに、気が付いている方もいるでしょう。
ACジャパンのCMは、テレビのCM枠に空きが生じた場合に放送されます。
現在の新型コロナは、広告不況につながりかねない、経済成長の停滞になる可能性があります。
そんな中、インターネット上でモノやサービスを売買するネット通販・ネットショップのEC市場は拡大を続けています。
競合他社との差別化を行い、より多くの広告を載せて、ユーザー獲得競争をしています。
商品を魅力的に、ユーザーが思わず広告をクリックしてしまうように、Webマーケターは日々数字を分析して、数字を改善するための新たな施策を考えているでしょう。
インターネットの広告業界は確かに伸びていますし、これからもしばらくは伸びていくでしょう。
Webマーケティングの分野にもAIなどが導入され、仕事の自動化が進むのも間違いないです。
テクノロジーの発達スピードが早く、1.2年後には今やっていることは古くなっているかもしれません。
しかし、「マーケティング」のスキルや実務経験を積むことは、非常に価値があります。
マーケティングのスキルは他の仕事や業界でも活用できますし、一生使える武器になります。
もしWebマーケティングに興味のある方は、一度転職エージェントに相談してみたり、情報収集から始めるなど、自分なりにアクションを起こしてみてはいかがでしょうか?
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